音の善し悪しをそのまま映す道具が、モニターヘッドホンです。DTMや動画編集を始めると、いつものイヤホンでは物足りなくなってきます。今回は自分で使ってきた定番機と、専門店で評判のモデルを合わせて7台を並べてみました。
この記事で紹介するモニターヘッドホン おすすめ7選
| 順位 | 商品名 | 画像 | ポイント | 購入 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | オーディオテクニカ ATH-R70xa | ![]() |
軽い開放型の新定番 | Amazon楽天 |
| 2位 | オーディオテクニカ ATH-M50x | ![]() |
迷ったらこの密閉型 | Amazon楽天 |
| 3位 | ソニー MDR-MV1 | ![]() |
空間表現が得意な本命 | Amazon楽天 |
| 4位 | AKG K701-Y3 | ![]() |
広い音場のロングセラー | Amazon楽天 |
| 5位 | ゼンハイザー HD 490 PRO | ![]() |
制作向けの新世代機 | Amazon楽天 |
| 6位 | beyerdynamic DT 770 PRO X | ![]() |
遮音に強い密閉型 | Amazon楽天 |
| 7位 | beyerdynamic DT 900 PRO X | ![]() |
開放型で見晴らし抜群 | Amazon楽天 |
普通のヘッドホンと何が違う?モニターヘッドホンの正体
音楽を気持ちよく鳴らすためのヘッドホンは、低音を持ち上げたり高音を華やかにしたりと、聴いて楽しい方向へ味付けされています。モニターヘッドホンはその逆で、入ってきた音をできるだけそのまま返そうとします。
だから最初にかけると「あれ、地味かも」と感じる人が多いです。私も一台目をかけたときは正直そう思いました。
でも録音やミックスをやると意味が分かります。原音に近い音で確認できると、別のスピーカーで再生したときの差が小さくなるからです。

ゲームの足音や銃声の方向を聞き分けたくて買う人も増えてますよ。
買う前に見たい3つの数字とハウジングの形
選ぶときに見る数字は、インピーダンス、感度、再生周波数帯域の3つで十分です。ここを外さなければ大きな失敗はしません。
インピーダンスの値が大きいほど繊細に鳴りますが、その分だけ大きな出力が要ります。250Ωを超えるモデルは、スマホ直挿しだと音量が足りず、ヘッドホンアンプかオーディオインターフェースが欲しくなります。
形は密閉型と開放型の2つです。密閉型は音漏れしにくく、マイク録音のときに音が回り込みません。開放型はメッシュ構造で音が抜け、スピーカーで鳴らしているような広がりが出ます。ただ、開放型は音漏れするので電車やカフェには向きません。

録音は密閉、ミックスは開放、と使い分けるのがプロの定番なんですって。
プロも愛用 モニターヘッドホン おすすめ7選
ここからは順位をつけて紹介します。自分の手元にある機種は使った感触を、そうでない機種は専門店の声やスペックをもとに書きました。
第1位:オーディオテクニカ ATH-R70xa 開放型モニターヘッドホン

オーディオテクニカのリファレンス系を新しくした開放型で、私のデスクでいちばん出番が多い一台です。頭に載せた瞬間の軽さがすごくて、2時間つけていても側頭部が痛くなりません。
音は変な脚色がなく、低音から高音までまっすぐ返してくれます。ミックスでイコライザーをいじると変化がそのまま見えるので、作業が止まらず進みます。
ただ、インピーダンスが高めなのでノートPC直挿しだと音量が伸びません。小さなヘッドホンアンプを一緒に用意すると本領が出ます。
軽い装着感とフラットな音のリファレンス機
第2位:オーディオテクニカ ATH-M50x プロフェッショナルモニターヘッドホン

密閉型で迷ったらこれ、という定番です。私も長く使っていて、出先の録音にはいつもこれを持って行きます。
低音がしっかり出るのに輪郭がぼやけず、ドラムのキックの位置が分かりやすいです。折りたためるので鞄に放り込めるのも助かります。
ただ、側圧はやや強めで、メガネをかけたまま長時間使うと耳の上が気になる人もいます。イヤーパッドを社外の厚めに替えると当たりがやわらぎます。

最初の一本に選ぶ人がめちゃくちゃ多い、鉄板モデルですね。
持ち運びやすい密閉型の鉄板機
第3位:ソニー 背面開放型モニターヘッドホン MDR-MV1

ソニーが空間音響の制作を見据えて作った開放型です。友人のスタジオで借りて数日使わせてもらったのですが、音が頭の外に広がる感覚に驚きました。
奥行きや左右の距離感が掴みやすく、立体的なミックスをする人ほど恩恵が大きいです。3時間続けても耳が痛くなりませんでした。
ただ、価格が4万円台なので気軽には手が出ません。そこは正直ネックですが、精度を上げたい人には投資する価値があります。
空間表現に強いソニー本気の一台
第4位:AKG プロフェッショナルオープンエアー型モニターヘッドホン K701-Y3

オーストリアの老舗が作る開放型で、世界中のスタジオで長く使われてきた一台です。専門店のスタッフに聞くと、音場の広さを買って選ぶ人が今も多いそうです。
レビューを読むと、オーケストラやジャズなど生楽器の距離感が気持ちいいという声が目立ちます。本体が軽く、耳を包み込む装着感も評判です。
ただ、ポップスやEDMのように低音の量感がほしいジャンルには物足りないという指摘もありました。キックの確認は密閉型と併用するのが安心です。
広い音場が武器のロングセラー
第5位:ゼンハイザー 開放型スタジオモニターヘッドホン HD 490 PRO

開放型ヘッドホンを世に広めたゼンハイザーの制作向けモデルです。スペックを見ると、ミックス用とマスタリング用でイヤーパッドを替えられる二段構えになっていました。
各楽器の輪郭がくっきり分かれて聞こえるので、細かい編集で音が埋もれません。付属品が丁寧で、長く付き合える作りです。
ただ、5万円前後と値は張ります。始めたばかりの人にはやや重い出費かもしれませんが、耳が育ってきた頃に効いてくる一台です。

パッドで音の傾向を変えられるのは、制作する人にはうれしい仕掛けですね。
パッドを替えて使う新世代の制作機
第6位:beyerdynamic DT 770 PRO X 48Ω 密閉型スタジオモニターヘッドホン

ドイツの老舗が定番の密閉型を刷新したモデルです。口コミを見ると、48Ωに下げてスマホやノートPCでも鳴らしやすくなった点が好評でした。
遮音がしっかりしていて、まわりが騒がしくても録音に集中できます。イヤーパッドがふかふかで、頬に当たる感触もやわらかいです。
ただ、密閉ゆえに長時間だと少し熱がこもります。夏場は途中で耳を休ませると気持ちよく使えます。
鳴らしやすくなった遮音の定番
第7位:beyerdynamic DT 900 PRO X 48Ω 開放型スタジオモニターヘッドホン

さきほどの密閉型と兄弟にあたる開放型です。スタッフいわく、この2台を録音用と確認用でそろえるユーザーが多いとのことでした。
見晴らしのよい広がりと、上から下までそろった帯域が持ち味です。ぶっちゃけ音の癖が少なすぎて最初は物足りなく感じるほど、素直に鳴ってくれます。
ただ、開放型なので音漏れは避けられません。家族と同じ部屋で使うと音が漏れてしまう点は気をつけたいところです。
素直な鳴りの開放型スタジオ機
開放型と密閉型、どちらを選ぶ?
ざっくり言うと、録音するなら密閉型、ミックスや音楽鑑賞なら開放型が向いています。下の表で音場の広さや遮音、持ち出しやすさを星で並べたので、自分の使い方に近い列を見てください。
| タイプ | 音場の広さ | 遮音の強さ | 持ち出しやすさ | 深夜の使いやすさ |
|---|---|---|---|---|
| 開放型 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ |
| 密閉型 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
深夜の使いやすさは、家族が寝ている時間でも音漏れを気にせず使えるかという私なりの目安です。開放型は気持ちよく鳴る反面、夜は音量に気をつかいます。
音を引き出すために一緒に用意したいもの
インピーダンスの高い開放型を選んだら、ヘッドホンアンプはほぼ必要になります。1万円前後のDAC付きアンプがあれば、PCの端子に直接つなぐより一段クリアに鳴ります。
イヤーパッドは消耗品なので、交換用が手に入りやすいメーカーだと長く使えます。オーディオテクニカやゼンハイザーは純正パッドが買えるので安心です。

アンプを足すと同じヘッドホンでも化けるので、予算に少し残しておくのがおすすめです。
長く付き合う道具なので、音だけでなく替えパーツの入手しやすさまで見て選ぶと後が楽になります。まずは自分の使う場所と時間帯を思い浮かべて、密閉型か開放型かを決めるところから始めてみてください。
筆者 西村 隆之オーディオ機器を得意とするプロライター。今回はヘッドホン専門店のスタッフやDTMユーザーへのリサーチをもとに、モニターヘッドホンを比較しました。読みやすさと正確さを心がけています。


