朝、枕に顔をうずめた瞬間に、なんとなく気になるにおい。カバーは先週洗ったはずなのに、と首をかしげた経験はないだろうか。
枕は1日の3分の1、頭と首をのせている。カバーを通り抜けた汗と皮脂は、少しずつ本体に染みこんでいく。枕本体を手洗いするなら、洗う前の確認から乾かし終わるまでを、場面ごとに順番にたどるのがいちばん失敗が少ない。
- 洗う前に確かめること
- 浴槽での手洗いの手順
- 乾かす場面が仕上がりを決める
- 洗えない枕はこう手入れする
- 洗う頻度と、ふだんのひと手間
- そろそろ買い替えどき、と思ったら
枕を手洗いする前に確かめること
洗濯表示のおけマークを見る
まず枕の側面か縫い目にあるタグを見る。おけの絵に手が添えてあれば手洗いができる。おけに×が付いていれば家庭では洗えない。数字が書いてあれば、その温度以下の水を使う。
タグが切れていて読めないときは「洗えない枕」として扱い、メーカーの型番から取扱説明を探す。分からないまま水に沈めるのが、枕をだめにするいちばん多い原因だ。
中身の素材で洗えるかが決まる
ポリエステルわた・パイプ・ビーズ・羽根は、家庭で洗える枕の代表だ。パイプは水を吸わず乾きも早いので、手洗いに向いている。
反対に、低反発ウレタン・そばがら・羽毛は洗わない。ウレタンは水を吸って反発力が落ち、そばがらは乾かずにカビが出て、羽毛はふんわり感が戻らない。この3つは後の「洗えない枕」の場面で扱う。
カバーを外し、ファスナーを閉める
カバーは別に洗う。本体のファスナーがゆるんでいないか、縫い目がほつれていないかを見ておく。ここが開いていると、洗っている途中で中身が飛び出す。
浴槽での枕の手洗いの手順
ぬるま湯に中性洗剤を溶かす
枕がすっぽり入る浴槽か、大きめの洗面器にぬるま湯をためる。洗剤は液体の中性洗剤にする。粉末は溶け残りが枕に付き、乾いたあとに白く残る。
端から中央へ、もみ洗い
枕を沈めて、端から中央に向かってゆっくり押しもみする。中の汚れを外へ押し出す動きだ。強くこすったりねじったりせず、手のひらで押しては離すをくり返す。黄ばみが目立つところは、洗う前に部分洗い剤を付けておくと落ちやすい。
水を3〜4回替えてすすぐ
洗い終えたら水を捨て、きれいな水を張って押し洗いをくり返す。泡が出なくなるまで、水を3〜4回は替える。洗剤が残ると乾いたあとににおいが戻る。
絞らず、押して水を切る
すすぎが終わったら、両手で上から押さえて水を押し出す。ねじって絞ると中の素材が片寄り、形が戻らなくなる。ある程度水が切れたら、バスタオルではさんで残りの水分を吸わせる。
乾かす場面が枕の仕上がりを決める
天日干しか陰干しかは素材で分ける
パイプ・ポリエステルわた・そばがらは天日干しでよい。羽根・羽毛・ウレタンは日陰で風に当てる。日に当てすぎると生地が変色するので、色柄ものには薄い布をかけておく。
枕干しハンガーで両面に風を通す
物干し竿に平置きすると、下の面がいつまでも湿ったままになる。枕をネットで吊るす枕干しハンガーを使えば、両面に風が通って乾きが早い。なければ、ハンガー2本に渡すか、途中で裏返す。
芯まで乾くまで1〜3日かける
表面が乾いても、中はまだ湿っている。手で押して冷たさが残るうちは使わない。乾くまで1〜3日かかるので、洗うのは晴れが続く日を選び、その間に使う予備の枕を用意しておく。生乾きのまま使うと、洗う前よりにおいが強くなる。
洗えない枕はこう手入れする
低反発ウレタンは拭き取りと陰干し
ウレタンは水を吸わせない。汚れは、薄めた中性洗剤を含ませて固く絞った布で表面を叩くように拭き、乾いた布で水分を取る。週に1回、風通しのよい日陰に立てかけて湿気を抜く。
そばがらは干して、中身を入れ替える
そばがらは天日に当てて湿気を飛ばす。においや粉が気になってきたら、中身だけを新しいそばがらに入れ替える。側生地は洗えるものが多い。
羽毛は日陰で風に当て、汚れは部分洗い
羽毛の枕は陰干しで湿気を抜き、シミは中性洗剤を綿棒に付けて叩き落とす。丸洗いが必要なほど汚れたら、クリーニング店に出す。
枕を洗う頻度と、ふだんのひと手間
本体は半年に1回、カバーは週1〜2回
枕本体は半年に1回を目安に洗う。汗をかく夏場やにおいが気になるときは、3か月に1回まで縮めてよい。頭皮に直接触れる枕カバーは、週に1〜2回替える。
毎朝、枕を立てて風を通す
起きたら枕を壁に立てかけるだけで、寝ている間の湿気が抜ける。洗う回数を増やすより、毎朝のこのひと手間のほうが、においとダニには効く。髪をしっかり乾かしてから寝ることも、枕を湿らせない近道だ。
そろそろ買い替えどき、と思ったら
洗ってもにおいが戻るなら寿命
正しく洗って芯まで乾かしたのに、数日でにおいが戻るなら、汚れが中まで定着している。黄ばみが落ちない、中身が片寄って高さが戻らない、というのも同じ合図だ。
次は「洗える表示」の枕を選ぶ
買い替えるなら、タグに手洗いか洗濯機のマークがある枕を選んでおくと、次の半年後がラクになる。パイプやポリエステルわたの枕なら2千円前後からあり、乾きも早い。
洗いたての枕に頭をのせて眠る夜は、それだけで少し得をした気分になる。半年に1回、晴れの日を選んで、枕にも休みをあげてほしい。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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