マットレスをコインランドリーで洗えるかというと、答えはほとんどの場合「洗えない」です。コイル入り、ウレタン、ラテックスのマットレスは水と熱に弱く、ぬれると重さが何倍にもなって洗濯機を壊すおそれがあるため、コインランドリーの側でも断られます。
コインランドリーに持ち込めるのは、外した側生地と、洗濯機のマークが付いた薄いファイバー製の一部だけです。寝具メーカー2社とコインランドリー会社、クリーニング解説の合わせて5本を読み比べて、洗える条件、洗えない理由、家で洗うやり方、汚れ別の落とし方、洗えないときの手段を、疑問に答える形で書きます。
マットレスはコインランドリーで洗えるの?
本体を丸ごと入れて洗えるマットレスは、ほぼありません。コインランドリーの大型洗濯機は布団用でも容量が20〜30kg前後で、水を吸ったマットレスはこの重さを超えます。回転で中の素材が偏ってちぎれ、脱水で機械が止まる事故が起きるので、店側も「マットレスは不可」と貼り出しているところが多いです。
「洗える」と書いてあるマットレスでも、それは「家でシャワーで水洗いできる」という意味で、「洗濯機に入れてよい」とは別です。洗濯表示に洗濯機のマークがあるかを先に見ます。
なぜ洗えないの?素材で水と熱への強さが違う
マットレスの中身は4種類に分かれ、コインランドリーで問題になるのは「水」と「乾燥機の熱」です。
| 中身の素材 | コインランドリー | 家で水洗い | 理由 |
|---|---|---|---|
| コイル(スプリング) | 不可 | 不可 | 中の金属がさびる。乾かない |
| ウレタン・低反発 | 不可 | 部分洗いのみ | 水を吸うとちぎれる。熱で縮む |
| ラテックス | 不可 | 不可 | 熱と紫外線で劣化する |
| ファイバー(樹脂の網) | 薄手で洗濯機マークがあれば洗濯のみ可 | シャワーで可 | 水に強いが、乾燥機の熱で変形する |
コインランドリーの乾燥機は70〜80℃になります。ウレタンは縮み、ラテックスはひび割れ、ファイバーも40℃を超える熱で変形するので、どの素材でも乾燥機には入れません。洗えるファイバー製でも、洗った後は家に持ち帰って陰干しします。
コインランドリーに持ち込めるのはどんなマットレス?
条件は3つです。中身がファイバー製であること、洗濯表示に洗濯機のマークがあること、折りたたんで洗濯機のドラムに入る厚さと大きさであることです。厚さ3〜5cmの三つ折りタイプや、ベッドの上に敷くファイバーのトッパーがこれに当たります。
- 洗濯表示に「洗濯機」のマークがある。手洗いマークだけなら家で洗う
- 中身がファイバー(樹脂の網)で、厚さ5cm以下
- 折りたたんでドラムに余裕を持って入る。詰め込むと回らない
- 洗濯コースは「布団」か「毛布」の弱水流。脱水は短め
- 乾燥機は使わない。持ち帰って風通しのよい日陰に立てかける
側生地(カバー)が外せるマットレスなら、側生地だけを持ち込んで洗えます。側生地は綿やポリエステルで、布団用の大型洗濯機と乾燥機で1時間ほどで仕上がります。本体は家で拭くだけにします。
家ではどう洗えばいいの?ファイバーはシャワー、ウレタンは部分洗い
ファイバー製は浴室でシャワー、30℃以下の水で
ファイバー製は、浴室で立てかけてシャワーをかけるのが基本です。水温は30℃以下にし、中性洗剤を薄めた水をかけてから、シャワーで洗剤が出なくなるまですすぎます。そのあと立てかけて水を切り、風通しのよい日陰で半日から1日乾かします。お湯を使うと網が変形するので、夏でも水です。
ウレタン製は汚れた場所だけ、押して洗う
ウレタンは丸洗いすると水を吸ってちぎれます。汚れた場所だけに、水を含ませたタオルを当てて軽く押し、洗剤の泡を移してから水で絞ったタオルで拭き取ります。こすらず、引っ張らず、押すだけです。乾かすときも立てかけて、扇風機の風を当てると内側まで乾きます。
コイル入りは水を使わない。掃除機と拭き取りだけ
コイル入りは中の金属がさびるので、水は使いません。表面を掃除機で吸い、汚れは固く絞ったタオルで叩いて取ります。側生地が外せる型なら、側生地だけを洗います。
おねしょや汗じみはどう落とすの?汚れ別の落とし方
| 汚れ | 使うもの | やり方 |
|---|---|---|
| おねしょ・尿 | クエン酸(水200mlに小さじ1) | 乾いたタオルで吸う→クエン酸水を含ませたタオルで叩く→水拭き→陰干し |
| 汗じみ・黄ばみ | 重曹(水200mlに小さじ1) | 重曹水を含ませて5分置く→叩いて拭き取る→水拭き→陰干し |
| 血液 | 冷たい水、セスキ炭酸ソーダ | お湯は固まるので使わない。冷水で叩いてから重曹水 |
| 飲み物・食べこぼし | 中性洗剤を薄めた水 | 叩いて洗剤を移す→水拭きで洗剤を残さない→陰干し |
| カビ | 消毒用エタノール | 吹きかけて1時間置く→拭き取る→陰干し。広がっていたら業者か買い替え |
どの汚れも、スプレーで大量にかけると中まで水が入って乾かず、カビの原因になります。タオルに含ませて叩く、水拭きで洗剤を残さない、立てかけて乾かす、の順を守ります。ダニは布団乾燥機の熱で退治してから、掃除機で吸います。
どれくらいの頻度で洗えばいいの?年1〜2回で足りる
洗えるファイバー製でも、洗うのは年に1〜2回です。人は一晩でコップ1杯分の汗をかきますが、シーツと敷きパッドを使っていれば、汗のほとんどはそちらで止まります。シーツを使っている家は本体を3〜4年に1回、シーツと敷きパッドの両方を使っている家は汚れたときだけで足ります。洗いすぎると素材が傷んで寿命が縮みます。
代わりに、月1回は壁に立てかけて風を通し、半年に1回は表裏と上下を入れ替えます。除湿シートを下に敷くと、カビの原因になる湿気が減ります。
洗えないときはどうする?側生地・業者・買い替えの3つ
コイル入りやウレタンで、汚れが広い、においが取れない、カビが出た、というときは3つの手段があります。
- 側生地が外せるなら、側生地だけ洗う。コインランドリーの布団用洗濯機と乾燥機で1時間ほど
- クリーニング業者に頼む。ファイバーとコイルは対応する業者が多く、ウレタンとラテックスは断られることがある。料金はシングルで1万円前後から
- 買い替える。クリーニング料金が本体価格の半分を超えるなら、買い替えのほうが安く済む
次に買うときは、側生地が外せて洗えるものか、ファイバー製の洗える型を選ぶと、同じ困りごとが起きません。防水の敷きパッドを1枚足しておくだけでも、おねしょや汗が本体に届かなくなります。
コインランドリーは側生地だけ。本体は素材に合わせて家で洗う
マットレスは、コイル入り・ウレタン・ラテックスならコインランドリーで洗えず、持ち込めるのは外した側生地と、洗濯機マークのある薄いファイバー製だけです。ファイバーは30℃以下の水でシャワー、ウレタンは押して部分洗い、コイル入りは掃除機と拭き取り、乾燥機はどの素材にも使わない。この4つを守れば、マットレスを傷めずに汚れを落とせます。
洗う前に、マットレスの横か裏にある洗濯表示を見てください。洗濯機のマークがあるか、手洗いマークか、水洗い不可のバツか。それだけで、コインランドリーに持って行くか家で洗うかが決まります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
X(旧Twitter)




